こんにちは、つま小児科クリニックのブログをご覧いただきありがとうございます。このブログではクリニックのことや、小児科に関係する色々なことをお話させていただこうと思っております。
予防接種を打ちたいけど、「鼻水が出ていたり何かしらの症状がある」や、「先週風邪引いていた」などでで、接種できるかどうか心配になる、このような状況を経験される方は多いと思います。
最終的には問診表と診察所見を総合して、担当医師の判断で接種できるかどうか決定するのですが、どのような目安で判断しているか、ということが分かれば参考になりますよね。
今回は予防接種が可能かどうか判断する、当院の基準についてお話したいと思います(判断基準は医師により異なることがあります。ここではあくまで「当院の基準」について述べます)。
◎予防接種時の体温について
明らかな発熱を認める方は予防接種を受けることが出来ません。通常、予防接種を行う前に体温測定を行いますが、体温が37.5℃以上であれば接種は出来ません。
ただ、年少児では夏場や眠い時などは体温が上昇することもあり、特に異常がなくても体温が37℃台後半となることはよくあります。この場合、時間をあけて体温を測定して、37.4℃以下となれば診察所見と総合して予防接種が可能となることもあります。
◎接種の前や接種時に体調不良があった場合
特に保育園に通われている方などでは、しょっちゅう風邪をひいて、咳や鼻水、下痢など、症状が全くない時がほとんどない、という方もいらっしゃいます。症状が完全になくなるのを待っていたら予防接種をいつまでも打てず、そんなことをしている間に本来なら予防接種で防げる病気にかかってしまうかもしれません。これを避けるため、当院では以下の基準をもとにして予防接種を行います。
① 熱が出た場合で、はっきりとした病名がつかない、いわゆる「熱が出る風邪」の時
⇒解熱して元気になってから1週間後から接種可能(咳、鼻水、下痢は悪化傾向でなければ残っていても大丈夫です)
② 水痘、おたふくかぜ、麻しん、風しんの時
⇒隔離解除後4週間から接種可能
③ 新型コロナ、インフルエンザ、突発性発疹、RSなど②以外ではっきりした病名がついた時
⇒解熱して元気になってから2週間後から接種可能(咳、鼻水、下痢は悪化傾向でなければ残っていても大丈夫)
④ 嘔吐を伴う胃腸炎の時(発熱の有無を問わない)
⇒解熱して経口摂取が十分できるようになって1週間後から接種可能(下痢は悪化傾向でなければ残っていても大丈夫)
⑤ 熱がなく、鼻水、咳、下痢などの症状のみの時
⇒症状が悪化傾向でなくなった時から接種可能
◎熱性けいれんなど、けいれん性疾患の既往がある場合
予防接種は種類によりますが、副反応で発熱を認めることがあり、その発熱でも熱性けいれんが起こることがあります。ただ、短時間のけいれんであれば後遺症などの心配はほとんどないので、予防接種を行ってしっかり病気を予防するメリットの方が大きいと考えられます。
当院では以下の基準で予防接種を行います。
・初回のけいれんの場合は、けいれんがあった2か月程度後から接種可能
・2回目以降のけいれんであれば、けいれんがあった1か月程度後から接種可能
・30分以上持続するけいれんの既往がある場合、けいれんを診察した医師や主治医の許可があれば接種可能
以上、予防接種が可能かどうかの判断基準についてご説明させていただきました。
最後までご覧いただきありがとうございました。