小児皮膚疾患

じんま疹の話

 こんにちは、つま小児科クリニックのブログをご覧いただきありがとうございます。このブログではクリニックのことや、小児科に関係する色々なことをお話させていただこうと思っております。

 今回はじんま疹(蕁麻疹)についてお話させていただきます。

 

◎じんま疹とは

 アレルギー反応などによって、皮膚の一部に発疹(膨隆疹、膨疹ともいいます)がでる状態をいいます。通常かゆみを伴います。

 

◎主な原因

 通常、からだに何らかのストレス刺激がかかることにより起こります。8割以上ははっきりとした原因が特定出来ません。

① ウイルス感染:大部分を占めます。かぜ症状がみられる場合もありますが、弱いウイルスだと発疹以外症状が出ないこともあります。

② 食物、薬剤:イメージしやすいですが、割合としては少ないです。通常摂取直後に症状が出現します。これまで摂取して大丈夫だった食物、薬剤が突然アレルギーとなることは少ないです。

③ 体調不良、疲労や紫外線への暴露、精神的なストレスなど。

④ 原因のはっきりしないもの

 実際は食物、薬剤以外は原因と断定することが難しく(本当に因果関係があるかどうか判定できない)、原因不明という結論になってしまいます。

 

◎ 診断方法について

 発疹の見た目でじんま疹かどうか判断します。食物が原因と疑わしい場合は、血液検査を行うことがあります。薬剤が原因と疑わしい場合は、特定するための検査は難しいことが多く、以降は処方を避けます。

 

◎病院で処方される薬について

・飲み薬:抗ヒスタミン薬といって、アレルギーをおさえる薬が処方されます。症状がおさまった1日後まで内服すると安心です。通常眠気の副作用が少ないものが処方されますが、夜かゆくて眠れない場合は逆に眠気の副作用がある方がよいこともあります。

・塗り薬:かゆみ止めの塗り薬を処方します。かゆい場所に塗ってあげてください。かゆみがなければ塗る必要はありません。

・ステロイド内服:通常は処方しませんが、抗ヒスタミン薬が無効の場合に処方することがあります。

・ステロイドの塗り薬はじんま疹には効果がないため、使用しません(掻くことによって炎症が起こっている場合には有効なこともあります。病院で相談してください)。

 

◎症状の持続期間について

 個人差が大きいため、一概には言えません。食物、薬剤が原因の場合は1日以内でおさまることが多いですが、それ以外の原因の場合は短時間でおさまることもあれば、数日以上続くこともあります。

 朝は無症状で、午後や夕方からじんま疹が増えてくることが長期間続く、ということもよくあります。

 

◎自宅で気をつけること

 じんま疹は血行がよくなると悪化するため、じんま疹が出ている間は入浴は避けて(汗を流したい場合は短時間のぬるめのシャワー)、運動を控えてなるべく安静にし、部屋を涼しくして厚着は避けましょう。またじんま疹が出ている部分は冷やすとかゆみがましになることが多いです。

 食事は刺激があるものを避けましょう。食事は念のためこれまで食べて大丈夫だったものにしておくと安心です。

 じんま疹が出た翌日は休んだ方が安心ですが、明らかなかぜ症状がなく、朝の段階でじんま疹がおさまっていれば登園・登校しても大きな問題がないことも多いです。その場合でも運動は避けましょう。

 

◎病院を受診する目安

【夜間であっても受診が必要な目安】

・呼吸器症状(声のかすれ、喉のかゆみ、強い咳き込み、呼吸困難)、強い消化器症状(強い腹痛、頻回の嘔吐)がある時

・顔が青白い、呼びかけに反応が鈍い、活気がなく、ぐったりしている時

【日中に再診した方がよい目安】

・処方された薬を内服しても全く改善せず、悪化傾向の場合 ⇒ 薬を追加・変更することがあります

・2日間処方された薬を内服してもじんま疹がまだ出る場合 ⇒ 薬を追加・変更することがあります

・他、新しい症状が出てきた、普段と様子が違うなど何かご心配なことがある時

 

 

 以上、じんま疹についてお話させていただきました。

 最後までご覧いただきありがとうございました。

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