◎どのような病気か

・手や足、口などに発疹が出るウイルス性の夏風邪のひとつで、例年夏から秋にかけて流行します。

 

◎症状について

※経過は個人差が大きいため、目安程度にお考えください。

・手や足、お尻、口などに数mmの小さな赤みや水ぶくれが現れます。手足の発疹は通常痛くもかゆくもないですが、大きい発疹は痛かったりかゆかったりするともあります。口内炎は通常痛みがあり、特に年少児では十分な飲食が出来なくなることもあります。発疹は通常1週間以内に治ります。

・熱は通常は数日で自然に解熱します。熱が出ない方も多いです。

・咳、鼻水、下痢などいわゆるかぜ症状がみられる方もいます。

・ごくまれに、ウイルス性髄膜炎を合併し、高熱、嘔吐、頭痛がみられることがあります。

 

◎診断方法について

・手足口病と確定診断できる簡単な検査はなく、通常特徴的な症状、年齢や流行状況で診断を行います。

 

◎2回以上かかることはあるか。大人にもうつるか

・手足口病を起こすウイルスは4種類あり、一度かかるとそのウイルスには二度とかからないのですが、別の種類のウイルスにはかかる可能性があります(理論上、最高4回かかります)。

・ただ、手足口病を起こすウイルスに感染しても全く症状が出なかったり、また典型的な症状が出ず手足口病と診断されないまま治ったり、ということはよくあるので、実際に4回手足口病の症状を経験する方は少ないです。

・手足口病のウイルスは鼻水や唾液から1週間程度、便からは1か月以上排泄されます。そのため家族内で完全に感染を防ぐことは難しいのですが、手洗い、特に便の処理をした後は入念に行うことで家族内感染のリスクを減らすことが出来ます。

 

◎治療法について

・手足口病のウイルスに対する抗ウイルス薬は存在しないため、対症療法といって症状を楽にする薬が中心となります。

・咳、鼻水があればかぜ薬、下痢があれば整腸剤を処方します。

・高熱でつらそうであれば解熱剤を使用してください。解熱剤には鎮痛効果もあるため、口内炎が痛い場合にも効果的です(熱がない場合にでも解熱剤を使用して大丈夫です)。

・手足の発疹は通常塗り薬は不要ですが、痛みや痒みがある場合は塗り薬を処方します。

・手足口病の口内炎は残念ながら塗り薬は効果がありません。口内炎を治す飲み薬も、飲まないよりましという程度です。

 

◎登園・登校の基準について

・インフルエンザのように明確な登園・登校基準はありません。

・しっかり解熱し、食欲が十分あって、普段通り元気になってから登園・登校を再開してください。

 

◎食べ物について

・口内炎がある場合、酸味があるもの、味の濃いものや固いものは刺激となるため避けましょう(食べれるのであれば食べても構いません)。

・ゼリー、プリン、ヨーグルト、アイスクリームなど、軟らかくて刺激が少ない食べ物がおススメです。固形物は小さくしてから与えると、あまり嚙まなくてすむため食べやすくなります。

 

◎病院再診の目安について

【夜間であっても受診が必要な目安】

・水分が全く摂取できず、ぐったりしている時:点滴が必要なことがあります

・高熱、嘔吐が続き、活気が全くない時:めったにありませんが、髄膜炎や脳炎を合併している可能性があります

【日中に再診した方がよい目安】

・発熱が数日(状態によりますが3日程度が目安です)以上続く時 ⇒ 診察の結果血液検査等追加することがあります。

・他、普段と様子が違うなど何かご心配なことがある時

 

※上記はあくまで一般的な対応です。ご不明点等あればお気軽にスタッフにお尋ね下さい。