◎どのような病気か
・ヒトヘルペスウイルス6型、7型の感染により3日程度高熱が出て、解熱後に体に赤い発疹が出る病気です。
・通常0~1歳までに感染し、はじめての高熱の原因となることも多いです。
・一度感染すると原因ウイルスは体内に一生潜伏し続けますが、悪さをすることはほとんどありません(他人に感染させることはあります。突発性発疹症の主な感染経路は成人からの唾液などを介した感染です)。
◎症状について
・発熱:3日程度高熱が出ることが多いです。熱の高さの割に機嫌が良く、全身状態は保たれることも多いです。
・発疹:解熱後にみられますが、多少前後することもあります。顔やからだなど全身にみられますが、かゆみや痛みはなく、数日で自然に消えます。
・機嫌不良:発熱があるときは比較的機嫌がよいことが多いのですが、解熱後から数日機嫌が悪くなることが多いです。
・熱性けいれん:数%の頻度でみられます。通常発熱から24時間以内に起こるので、けいれんが起こった段階では突発性発疹症と診断されないことがほとんどです。
・咳、鼻水、嘔吐、下痢:いわゆる風邪症状がみられることもありますが、あまり強くないことが多いです。
◎診断方法について
・3日間程度の発熱、解熱後の発疹の出現という特徴的な経過で診断を行います。
・検査で突発性発疹症と確定診断するのは難しく、3日間の発熱、その後の発疹という経過で通常は診断します。言い換えると、発疹が出るまでは突発性発疹症とはっきり診断できないことが多いです。
・年齢や症状から、発疹が出る前にも突発性発疹症かな、と予測することも多いですが、発疹が出るまでははっきりとした診断は困難です。
◎発疹が出現したら受診した方がよいか
・発疹に対しては塗り薬や飲み薬は不要なので、発疹出現後の受診は通常必要ありません。発疹が出現したが熱が下がらなかったり(この場合、本当は突発性発疹症でなく他の病気の可能性もあります)、何か心配ごとがあれば受診してください。
◎治療法について
・通常突発性発疹症と診断できた段階では解熱しており、皮疹に対する治療も不要なので、診断後には投薬を行わないことが多いです。
・診断する前は、症状や診察の所見にもとづいた対症療法(症状を緩和させる治療)を行うことが多いです。
◎2回以上かかることはあるか。大人にもうつるか
・突発性発疹症を引き起こすウイルスは2種類あるため、理論上は2回かかることもあります。
・ただ、原因のウイルスにかかっても典型的な突発性発疹症の経過をとらない(発疹が出なかったり、熱が出なかったりのこともある)ことも多く、その場合は突発性発疹症と診断されずに自然に治ってしまうため、2回突発性発疹症と診断される方はあまりいません。
・逆に、違う病気でも突発性発疹症と診断されてしまうこともあるため、まれに3回以上経験される方もいます(本当は最高2回しかかかっていません)。
・大人は通常免疫を持っているため、うつりません。ふたごなどの場合はうつることもありますが、いずれはかかる病気で結局避けられないので普段通り過ごして大丈夫です。
◎登園基準について
・周囲にうつすリスクは低いため、体調がよくなれば登園可能です。
・しっかり解熱し、咳などの症状がある場合ある程度良くなって、発疹が薄くなっていれば登園可能です。
※上記はあくまで一般的な対応です。ご不明点等あればお気軽にスタッフにお尋ね下さい