◎RSウイルスとは
乳幼児の呼吸器感染症の原因となるウイルスで、秋から冬にかけて流行することが多いですが、最近では夏に流行することもあります。
◎症状について
・潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)は数日のことが多く、発症後2、3日程度は一般的なかぜ症状(発熱、咳、鼻水)があり、そのまま解熱し咳・鼻水は徐々に治癒する人が多いですが、なかには5~7日程度発熱が続き、肺炎、細気管支炎などに進展し呼吸困難となる方もいます。
・咳や鼻水は熱が下がってもしばらく続くこともあります。
◎2回以上かかることはあるか。大人にもうつるのか
・RSウイルスは何回でもかかります。ただ、かかる度に免疫が少しずつついていくので、2回目以降は軽症で済むことが多いです。
・大人は感染しても無症状やごく軽症のことがほとんどですが、免疫力の低下した高齢者では重症化することもあり、注意が必要です。
◎治療法について
残念ながらRSウイルスには抗生物質は効果がなく、有効な抗ウイルス薬もありません。
対症療法といって、症状を緩和させる薬が中心に処方されます。
・咳止め、痰切り、鼻水の薬
・気管支拡張薬(飲み薬、貼り薬)
・解熱剤(坐薬、飲み薬)
※経過が長かったり、血液検査で炎症反応が高い場合はRSウイルスだけでなく別の細菌も感染している可能性もあるため、抗生物質を処方することもあります。
◎登園・登校基準について
・感染力がある期間は長く、症状が消えてから数週間続くこともあります。
・インフルエンザのように明確な登園・登校基準はありません。
・しっかり解熱し、食欲が十分あって、咳や鼻水がそれなりにおさまっていることが目安です。
◎病院再診の目安について
【夜間であっても受診する目安】
・水分の摂取が全く出来なかったり、活気がなく、ぐったりしている時
・呼吸が苦しそうな時:苦しくて眠れない、顔色が悪い、呼吸が荒い(鎖骨の上や肋骨の間が呼吸に合わせてへこむ)などの場合は受診が必要です。呼吸状態の客観的な指標としては呼吸回数を測定しましょう。速い場合は呼吸困難になっていると考えて受診しましょう。
<受診が望ましい1分間の安静時呼吸数の目安(15秒間測定した値を4倍しましょう)>1歳未満:50回以上、1~5歳:40回以上
【日中に再診した方がよい目安】
・受診後2-3日しても熱が下がらない時:診察をして、必要であれば血液検査等行います。
・他、普段と様子が違うなど何かご心配なことがある時
※上記はあくまで一般的な対応です。ご不明点等あればお気軽にスタッフにお尋ね下さい