◎どのような病気か
・エンテロウイルスというウイルスに感染することにより起こるいわゆる「夏かぜ」の一種です。
◎症状について
・潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)は1~5日で、突然の高熱、のどの痛みで発症します。嘔吐や腹痛を伴うこともあります。
・熱は2日前後で解熱し、解熱後数日以内にのどの痛みもなくなることが多いです。
◎診断方法について
・ヘルパンギーナと確定診断できる簡単な検査はなく、「突然の高熱」「流行状況」「のどの所見」から診断します。
・診断根拠が厳密ではないため、当初ヘルパンギーナと診断されたが、後になって実は別の病気と分かった、ということも起こりえます。
・ヘルパンギーナと診断後、数日以内に解熱しなかったり、他の症状が出てきた場合には病院を再受診してください。
◎2回以上かかることはあるか。大人にもうつるか
・ヘルパンギーナを起こすエンテロウイルスは10種類以上あり、一度かかるとそのウイルスには二度とかからないのですが、別の種類のウイルスにはかかる可能性があります。
・ただ、エンテロウイルスに感染しても全く症状が出なかったり、また典型的な症状が出ずヘルパンギーナと診断されないまま治ったり、ということはよくあるので、大人は免疫がついている方が多いので、かかりにくいです(かからないわけではないです)。
・エンテロウイルスは鼻水や唾液から1週間程度、便からは1か月以上排泄されます。そのため家族内で完全に感染を防ぐことは難しいのですが、手洗い、特に便の処理をした後は入念に行うことで家族内感染のリスクを減らすことが出来ます。
◎治療法について
・ヘルパンギーナを起こすウイルスに対する抗ウイルス薬は存在しないため、対症療法といって症状を楽にする薬が中心になります。
・のどの痛みを和らげる薬や、咳、鼻水があれば感冒薬、腹痛、嘔吐があれば制吐剤や整腸剤を処方します。
・高熱でつらそうであれば解熱剤を使用してください。解熱剤には鎮痛効果もあるため、のどが痛いときにも効果的です。
◎登園・登校の基準について
・インフルエンザのように明確な登園・登校基準はありません。
・しっかり解熱し、食欲が十分あって、普段通り元気になってから登園・登校を再開してください(平均3日程度です)。
・登園・登校許可証は通常不要ですが、念のため園や学校に確認してください。
◎食べ物の注意について
・のどが痛い場合、酸味があるもの、味の濃いものや固いものは刺激となるため避けましょう(食べれるのであれば食べても構いません)。
・ゼリー、プリン、ヨーグルト、アイスクリームなど、軟らかくて刺激の少ない食べ物がおススメです。
◎病院再診の目安について
【夜間であっても受診する目安】
・水分の摂取が全く出来ず、ぐったりしている時:点滴が必要なことがあります。
・高熱、嘔吐が続き、活気が全くない時:めったにありませんが、髄膜炎や脳炎を合併している可能性があります
【日中に再診した方がよい目安】
・受診後数日(状態によりますが、3日程度が目安です):診察をして血液検査等追加することがあります。
・他、普段と様子が違うなど何かご心配なことがある時
※上記はあくまで一般的な対応です。ご不明点等あればお気軽にスタッフにお尋ね下さい。