◎アデノウイルスとは

・アデノウイルスは100種類以上のタイプがあり、タイプにより咽頭炎、扁桃炎、胃腸炎、結膜炎などを引き起こします。

・検査ではアデノウイルスに感染しているかどうかは分かりますが、どのタイプのアデノウイルスかについては分かりません。

・感染力が強く、保育園などで集団発生が起こることが多いです。いわゆる「夏かぜ」の一種ですが、夏以外にも一年中みられます。

・ここでは、咽頭炎、扁桃炎を起こすタイプのアデノウイルスについて解説します。

 

◎症状について

・潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)は2~10日で、通常発熱やのどの痛み、咳、鼻水などが起こります。

・目が充血する場合は咽頭結膜熱(プール熱)や流行性角結膜炎(はやり目:主に目のみの症状)という病名となります。流行性角結膜炎の場合は小児科だけでなく眼科受診も必要です。

・高熱が持続することが多く、5日前後39℃以上が続くこともありますが、熱の割に比較的元気なことも多いです。

・朝は解熱しているが、午後から高熱となるパターンを取ることも多いです。

 

◎2回以上かかることはあるか。大人にもうつるか

・アデノウイルスには数多くのタイプがあり、免疫がつきにくいと言われています。

・特に目が充血するタイプのアデノウイルスは感染力が強く、大人にもよく感染します。

・感染は主に接触感染(鼻水や唾液などでうつる)のため、手洗い、うがい、ドアノブなどよく触る場所の消毒、タオルや食器を分けることが有効です。

 

◎治療法について

・残念ながらアデノウイルスには抗生物質は効果がなく、有効な抗ウイルス薬もありません。

 対症療法といって、症状を緩和させる薬が中心に処方されます。

・咳止め、痰切り、鼻水の薬

・気管支拡張薬(飲み薬、貼り薬)

・解熱剤(坐薬、内服)

 

◎登園・登校基準について

・解熱すれば周囲へ感染力はかなり低くなります。

・咽頭結膜熱、流行性角結膜炎の場合は出席停止となり、登園・登校許可証が必要です。咽頭結膜熱は解熱後48時間経過すれば登園登校可で、流行性角結膜炎は眼科での許可が必要です(通常発症から1~2週間)。

・咽頭結膜熱、流行性角結膜炎以外のアデノウイルス感染症はしっかり解熱して全身状態が良好であれば登園・登校可能です。登園・登校許可証は不要のことが多いですが、念のため園や学校に確認してください。

 

◎病院再診の目安について

【夜間であっても受診する目安】

・水分の摂取が全く出来なかったり、活気がなく、ぐったりしている時

【日中に再診した方がよい目安】

・夜間に受診するほどではないが、発熱で消耗し徐々に元気がなくなってきた時

・発熱、発疹、目の充血、唇の荒れ、首のはれ、手足の腫れのうち4つ以上を満たした時:川崎病という病気の可能性があります。症状はご家庭では判別しにくいことも多いので、ご心配な時や発熱が4日以上続いてこれらの症状が複数ある時は一度受診してください。

・他、普段と様子が違うなど何かご心配なことがある時

 

※上記はあくまで一般的な対応です。ご不明点等あればお気軽にスタッフにお尋ね下さい