◎溶連菌とは
・溶連菌には複数の種類がありますが、小児期に主に問題となるのはA群連鎖球菌という菌で、ここではA群連鎖球菌について説明します。
・主に5歳~15歳の咽頭炎、扁桃炎の原因となる菌です。3歳未満や大人では典型的な症状が出ないことも多いです。
◎症状について
・潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)は2~5日で、通常発熱やのどの痛みで発症します。
・嘔吐や腹痛などの消化器症状がみられることも多いです。
◎2回以上かかることはあるか。大人にもうつるか
・溶連菌は感染しても十分な免疫がつかないことが多く、何回でもかかります。そのため、大人でも感染することもあります。
・感染は飛沫感染(くしゃみや咳などのしぶきでうつる)や、接触感染(鼻水や唾液などでうつる)ため、手洗い、うがい、マスク、タオルや食器を分けることが有効です。
◎治療法について
・溶連菌は抗生物質がよく効くため、抗生物質を飲むと1~2日以内に熱が下がることが多いですが、溶連菌をしっかりと体内から追い出すために通常10日間抗生物質を継続します。
・抗生物質に加えて対症療法といって、症状を緩和させる薬も処方されます。
◎登園・登校の基準について
・抗生物質を飲み始めてから24時間以上経過すればほかの人にうつす力はほとんどなくなります。
・登園・登校は、抗生物質内服開始後24時間経過し、しっかり解熱し、全身状態がよければ可能です。
・登園・登校許可証は必要ないことが多いですが、念のため園や学校に確認してください。
◎薬を飲む期間について
・溶連菌は十分に治療を行わないと後になって腎炎などを引き起こすことがあるため、しっかりと治療を行う必要があります。
・抗生物質を飲み始めると1~2日で通常解熱し元気になりますが、処方された抗生物質(通常10日分)は必ず最後まで飲み切ってください。
・抗生物質以外の薬は症状がおさまれば内服する必要はありません。
◎尿検査の必要性について
・病院によっては尿検査のため後日受診を指示されることもありますが、当院では後日の尿検査は不要と考えています。
・通常、溶連菌感染後の腎炎は軽症であれば治療不要、中等症以上で治療が必要なレベルであれば尿の色が明らかにおかしかったり(赤や褐色)、むくんだり尿が少なくなるので、症状に気づくことが多いです。もしこのような症状に気づいたら早めに受診してください。
・ご心配であれば後日(2~3週間後)に尿検査を行いますので、電話で相談してください。
◎病院再診の目安について
【夜間であっても受診する目安】
・水分の摂取が全く出来なかったり、活気がなく、ぐったりしている時
【日中に再診した方がよい目安】
・受診後2-3日しても熱が下がらない時:診察をして、血液検査を行ったり、抗生物質の種類を変更したりします。
・尿の色がおかしい、顔がむくむ、尿の量が少ないとき:尿検査を行います。
・他、普段と様子が違うなど何かご心配なことがある時
※上記はあくまで一般的な対応です。ご不明点等あればお気軽にスタッフにお尋ね下さい。