1997年4月2日~2008年4月1日生まれの女性の方に対する子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)のキャッチアップ接種期間(自己負担なしで接種可能な期間)が2025年3月31日で終了する予定です。

 また、高校1年生世代(2008年4月2日~2009年4月1日生まれ)の女性の方に対するHPVワクチンの定期接種期間(自己負担なしで接種可能な期間)も2025年3月31日で終了する予定となっています。

 当院ではHPVワクチンは基本的に9価ワクチンであるシルガード9🄬の接種を行っています。

 シルガード9🄬の標準的な接種方法(初回接種後2か月の間隔をあけて2回目接種、2回目接種の4か月後に3回目接種)で接種を行うためには9月中に初回接種を行う必要があります。

 標準的な接種方法で接種できない場合、初回接種から1か月以上あけて2回目接種、2回目接種から3か月以上あけて3回目接種を行うことが可能です。そのため、3回接種を自己負担なしで完了するためには11月中に初回接種を行う必要があります(ただし、11月末に初回接種を行うとその1か月後が年末年始にかかるためスケジュール的には厳しくなります)。

 当院は交野市・寝屋川市の予防接種実施医療機関であり、HPVワクチンのキャッチアップ接種を行っています。接種を希望される方はこちらからWeb予約をお願いします。接種を行う場合は本人の母子手帳を必ずご持参ください。

 

 子宮頸がんは日本では年間1万人前後の方が発症し、3000人前後の方が死亡している女性特有のがんです。HPVワクチンは子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスの感染予防効果が高く、海外でHPVワクチンがすでに広く接種されている国では特にHPVワクチン接種対象年齢での子宮頸がん患者の激減が認められています1)。

 以前マスコミなどでよく言われていた、慢性の痛みや運動機能の障害などHPVワクチン接種後の多様な症状とHPVワクチンとの因果関係はないと判断されています(HPVワクチンの接種者と非接種者を比較した場合、これらの症状を訴える方の割合は変わらないという調査結果が出ています2))。

 接種対象となる方はぜひワクチンの接種を行い、子宮頸がんの予防を行ってください。

【参考文献】

1)Falcaro M, et al. The effect of the national HPV vaccination programme in England, UK, on cervical cancer and grade 3 cervical intraepithelial neoplasia incidence: a regiter-based observational study. Lancet. 2021 Dec 4;398(10316):2084-2092.

2)Suzuki S, Hosono A. No association between HPV vaccine and reported post-vaccination symptoms in Japanese young women: Results of the Nagoya study. Papillomavirus Res. 2018 Jun;5:96-103.